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eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

スタッフもわらわらと回りを取り囲んでいる。
美名が心配して見ていると、増本に後ろから声をかけられた。
「美名さん……実は、西野から預かっている物がありまして」
増本は、薄紅色の薔薇が描かれた綺麗な封筒を差し出した。
「開けて見て下さい」
と美名に促す。
封を切り便箋を広げると、甘い薫りが鼻腔を擽った。
西野の香水と同じ薫りだろうか。
女の子らしい文字が綴られている。
『美名ちゃんへ
昨日は会えなくて、残念だったな~
本当にそう思ってるんだからね?
酷い意地悪を言ってしまったのを後悔しています。
デビューしてから、毎日気にするのは売上の数字、ブログを書けばブログのアクセスの数字……
とにかく数字に追われる世界で、いつの間にか人との関わりよりも、そういう事しか見えなくなって、自分を見失ってたかも……
真っ直ぐに音楽を一生懸命やっている美名ちゃんが羨ましくて、妬ましくて八つ当たりしちゃったのかも……
ごめんね?
こんな事をいうのも図々しいかも知れないけど、お詫びの印にディナーをご馳走したいの。
それに、ちょっと恋の悩みも聞いて欲しいなって……
私、芸能界に信頼できる人が居ないし……
美名ちゃんと友達になれたら良いなあ、なんて思ったの。
今夜、来てくれたら嬉しいです。
西野未菜』
美名が心配して見ていると、増本に後ろから声をかけられた。
「美名さん……実は、西野から預かっている物がありまして」
増本は、薄紅色の薔薇が描かれた綺麗な封筒を差し出した。
「開けて見て下さい」
と美名に促す。
封を切り便箋を広げると、甘い薫りが鼻腔を擽った。
西野の香水と同じ薫りだろうか。
女の子らしい文字が綴られている。
『美名ちゃんへ
昨日は会えなくて、残念だったな~
本当にそう思ってるんだからね?
酷い意地悪を言ってしまったのを後悔しています。
デビューしてから、毎日気にするのは売上の数字、ブログを書けばブログのアクセスの数字……
とにかく数字に追われる世界で、いつの間にか人との関わりよりも、そういう事しか見えなくなって、自分を見失ってたかも……
真っ直ぐに音楽を一生懸命やっている美名ちゃんが羨ましくて、妬ましくて八つ当たりしちゃったのかも……
ごめんね?
こんな事をいうのも図々しいかも知れないけど、お詫びの印にディナーをご馳走したいの。
それに、ちょっと恋の悩みも聞いて欲しいなって……
私、芸能界に信頼できる人が居ないし……
美名ちゃんと友達になれたら良いなあ、なんて思ったの。
今夜、来てくれたら嬉しいです。
西野未菜』

