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サイドストーリー4
第23章 カウントダウン
蒼が出張から帰ってきて
玄関で「ただいま」と言った後に私の顔を見て苦笑いをした。
なに?
違和感を感じたけど、疲れているだろう蒼が話さないなら
無理に聞きだすのはやめようと思って
そのままリビングに向かった。
コートを脱いで私に手渡してネクタイをはずして私に渡す。
帰ってきてのいつもの動作なのに
何かおかしい。
「ご飯とお風呂は?」
「ご飯は向こうを出る前に早めにごちそうになった」
「うん」
「風呂に入ってくる」
そう言ってお風呂場に向かった彼の背中を視線で追いかける。
ほんの微妙な空気の違いは
たぶん私じゃないと気が付かない。
蒼は極力いつも通りにしようとしてる。
何だろう?
その疑問はきっと無理やり聞き出してもしょうがないことだから。
私はコートとスーツとネクタイを掛けて
小さくため息をついて寝室に向かった。
私たちの出会いはもうかれこれ15年にもなる。
その間に数日だけ付き合って別れてまた付き合って、結婚して・・・
色々あったけど、年月の長さはただの長さじゃない。
大丈夫。蒼はきっと話してくれる。

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