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want to be ...【短編集】
第3章 甘い熱
…聞き捨てならない言葉が聞こえましたよ?
独立開業!?
大樹さんが!?
凄い!
ぱちぱちと拍手して大樹さんを見上げると、
「…熱上がったな」
と睨まれる。
「そうだよぉ大樹。どうしてそんなかっこいいの?
あたしを置いて行かないでね…?」
「…っは、バカだな美咲…お前を置いてく訳ねぇだろ。
いつだって俺と同じ景色見せてやるよ」
恐ろしい程のイケメンボイスで美咲さんに言う大樹さん。
何やら美咲さんの胸元から手を入れて胸を揉んだり美咲さんの頭にキスしたりなどイチャイチャし始めた2人。
そんな2人をケラケラ笑って見てる蒼汰。
絶対蒼汰も熱上がってるよね…
しばらく2人で大樹さんが作ってくれた雑炊をふーふーしながら食べてると、イチャイチャし終えたらしい美咲さんが可愛い笑顔であたし達を見つめていた。
「ねーぇ、杏奈ちゃん、蒼汰ぁ」
「はいっ」
「…んぁ?」
咀嚼しながら美咲さんを見上げると、あーん、というように口を開ける美咲さん。
…何あの子!可愛すぎ!!
「あたしにもちょーうだいっ」
「おう、その可愛いちっちぇー口ん中に
俺のモノ突っ込んで突きまくってやろうか」
「…殺すぞ?」
「すみません」
ぶわっと大樹さんから溢れた殺気。
すぐに真顔になって謝った蒼汰が、れんげで一口分を掬い、立ち上がるけど。
「…おら。寄越せ」
「…あー」
大樹さんに奪い取られて頬を膨らませてる。
「…ん、美咲。あーん」
…きゃぁぁぁぁあ!?
大樹さんが!
大樹さんがあーん、だって!
嬉しそうに口を開ける美咲さん。
…しかし、あろう事か。
大樹さんがれんげに載った一口分の雑炊を、自らの口に含んだ。
「…あー!?何でっ」
ぷんぷん怒る美咲さん。
可愛い…なんて思ってると。
美咲さんの後頭部を引き寄せ、深く唇を塞いだ大樹さん。
あ、あれは…口移ししてる!
大樹さんと美咲さんが口移し…
永遠に見てたい…
自分が食べるのも忘れ、うっとり2人のキスを眺めてると。
「ふーん…じゃあ俺も〜」
なんて隣から呑気な声が聞こえて、身体を抱き寄せられた。
ん?と蒼汰の方を向き、至近距離にある蒼汰の綺麗な顔に驚いた瞬間。

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