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第3章 甘い誘惑

なのに元哉は私の顔を覗き込んで私を捉えた。


「まだ俺が必要だと思うよ」


見透かした目でニヤリと笑った。


「…えっ!?」


「帰ったら泣くでしょ」


私はかなりうろたえた。


「泣いて、後悔して、苦しんで、またヤケになるんじゃない？」


「ちっ違うわよ！
何でそんな事アナタに言われなきゃなんないのよ！」


「遊び慣れてない女の子って分かるんだよね。
麻実は違う。って事は失恋」


思いっきりどや顔で言われて、恥ずかしいやら情けないやらで顔から火が出そうだった。