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喪われた記憶
第4章 触れられて…
『……今日は抱くつもりはない、安心しろよ。』
そう言うと、私をベッドに再び横たわらせた。
その時、私の背中に男の手が触れた。
「…んッ」
―――!?
「…え、あ..ち…違うの…あの…」
『何が違うって?』
「…ゃァ!」
男の指が背中を這う。
『…お前、今感じてただろ?
…こうやって、俺の指が背中にちょっと当たっただけで…
すっげー敏感なんだな?』
そう言われて、私の体温が一気に上昇していく。
「嫌…そんなこと言われたくない」
体は正直だ。
気持ちに反して男の指に反応していく。
『…へぇ..“嫌”ねぇ…』
そう言いながら男の指は私の耳にふれた。
「…うゃッ!」
また思わずでた声に男は笑う。
『今日はやらない。
明日のために、お前の感じるところを把握しておかなくちゃな…?
触診…みたいなもんだ。』

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