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第11章 清白家

「…残念ながら…何も。」



『……そう。
まぁ、別にどうってことないのよ。
今あの子が笑ってくれていれば、それでいいの。』



叔母さんの笑顔は凄い。

見る者の不安をすべて拭い去ってくれるような…

不思議な力がある。



『同棲の件……認めても構わないよ。』



叔父さんがやっと口を開いた。



「……え」


『但し！
絶対に月琴を悲しませるようなことをするな！
……分かったか？』


「………っはい！」



認めてもらえた……



「ありがとうございます。」


『これからもよろしくお願いしますね、紫苑くん。』


「はい…それでは失礼します。」


『夕方ね…帰れるかしら？』


「はい…大丈夫です。」


『月琴の家の方の手続きはこちらで何とかしておくから、二人は気にしなくてもいい。』


「はい。」


『月琴を…頼みましたよ。』




二人に深い礼をして、俺は部屋を出て行った。