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揺れる恋 めぐる愛
第12章 普通と特別
「大希さん?ご機嫌いかがかしら?」

向こうからは親しそうに名前を呼んでいる。

これは誰なんだろう……

「はい、昨日は突然予約をキャンセルしてご迷惑をおかけしました」

少し緊張した面持ちで目礼しながら携帯に意識を集中させている。

これはもしや……?

そう思う私を前に電話の声が驚くことを問いかけてきた。

「今からでいいから、いらっしゃい。

あれは仕事じゃないんでしょ?」

「……」

彼が言葉に詰まっていると、楽しそうにクスクス笑い声がして

「私を誤魔化そうとしても無駄よ」

「……どういうことですか?」

「初めてじゃない、こんなこと」

「ですが……」

言い淀んでいる。相手は分かったような気がするけど、

会話があまりにも相手本位に進んでいる様子。

彼の意識が電話の声に集中しているその隙に、

重心を移動して離れたところにある掛物に手を伸ばした。

「せっかく楽しみにしていたのに。

あなたの好きだったブツも焼いてるから

お茶の時間には試食にいらっしゃい……

あっ、焼けたみたい。じゃ」

ツーツーツーツー。電話が一方的に切れた。

私は掛物で身体を包み膝に座ったまま、

ため息をつく彼をじっと見つめていた。

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