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第2章 山川静香(やまかわしずか)〜都内有名私立大文学部４年年〜

翌日何事もなかったかのように相沢圭司が私の部屋の前までやって来て、私に声を掛けた。

私は起きて、着替えを済ませると、相沢圭司と山本さんの奥様に挨拶をした。

｢おはようございます。お嬢様、昨晩はよくおやすみになれましたか？｣

｢ええ。ぐっすり。｣

｢それはそれは、今、お食事をご用意いたしますね。｣

山本さんのの奥様はキッチンに消えていった。

私は向かいに座って、今日はネクタイをしている相沢圭司に小声で尋ねた。

｢圭司…ベッドのシーツ…どうしたの？圭司と私が染みを作っちゃったでしょ？｣

相沢圭司も小声で返答した。

｢大丈夫。洗濯して、まもなく乾燥し終わりますから…。｣

私はその日、相沢圭司に送られて、東京の自宅に戻った。

翌々日からは、気分一新、予備校の夏期個別指導教室に戻った。

私のひと夏の体験が、その後の私の精神を安定させてくれた。