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rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
「……蓮、今の話……」
お店を出て行く瀬名さんの後ろ姿を見つめながら、恐る恐る声を掛ける。
「どうしたの? 何かトラブル……?」
「ちょっとね。去年の掃除が終わってなくて」
「………?」
「大丈夫、問題ないよ。
俺が今1番優先するのは結婚式だから」
「………!」
「瀬名にも釘を刺されてるし、心配しないで」
瀬名さんが居た席の横に立って、蓮が優しく笑ってくれた。
……でも、私はその笑顔に応えることができない。
……だって……
「蓮、本当に大丈夫?」
仕事の話はほとんどしないし、弱音や愚痴を吐かない彼だけど
最近飛ばし過ぎてるって分かるし、いつも以上に体を酷使してる。
正直結婚式なんて、二の次にした方がいいくらいなのに……
「出張続きだし、本当に無理しないで。
準備は私1人でなんとかなるわ」
「………」
「疲れてるでしょう?」
倒れないか、心配で堪らない。
身を乗り出して、蓮の左手に手を重ねると……
「……そうだな、少しだけ」
すぐにきゅっと握り返されて、蓮が小さく微笑んだ。
「家に来て」
「………!」
「早く、瑠璃を抱いて眠りたい」

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