この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第18章 月灯りの下で

“ 仕方ないから、盛大にバックアップしてあげる ”
……ここに来る前に、優香さんはそんな風に言っていたから
もしかしたら、フラッシュモブ的なことが起きてしまうんじゃないかと思っていたけど
彼女の言うバックアップとは、庶民の私では想像できない事だった。
「……まさか、貴賓室をリザーブしていたなんて……」
シップ内には大小様々なフロアが存在するけど
数ある個室の中でも、おそらくここが最高級の貸切スペース。
ホテルでいうスイートルームだ。
専用のテーブル席はもちろん、小さなバーカウンターもある。
そしてなんと言っても、私達が今居る専用のトップデッキ。
……事前に調べたクルーズのホームページにも
貴賓室の使用料はお問い合わせくださいって書いてあったし。
提供されたフレンチのフルコースや高級ワインもそうだし
今夜だけでどれだけの出費があるかなんて……考えるだけでも恐ろしい。
「あ、の……
それで優香さんと香月さんは…」
「あいつら駄目だ。
マジで泥酔してて手がつけらんねぇ」
「………!」
「って、なんか俺も意外と回ってる気が……」

