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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
……勝手すぎる挑発だって、明らかに分かるのに
『……誰に向かって言ってるのかしら?』
戦闘態勢にでも入ったような、恐ろしく低い彼女の声が響いた。
同時に姫宮さんが勝ち誇った笑みを浮かべる。
『情報が少なすぎるわ。
依頼の経緯と目的、クルーズの運営会社を今夜中にまとめて報告して』
「面倒くせぇから、今からそっち行って直接話すって」
『やめて、神聖な場所よ。
貴方は愉快な仲間達が待つ、ムサイ会に行くんでしょう』
「………」
『来れるものなら来てみなさい。
遅れてる麗子が到着次第、即追い返させるから』
……す、すごい……
姫宮さんを封じ込めるなんて……
落ち着いた声で、キレッキレの言葉を浴びせる彼女。
姿は目に見えないのに、私の理想のクールビューティー像が浮かび上がった。
「……ほんっと可愛くねぇな」
舌打ちをした姫宮さんがソファから立ち上がる。
「そのムサイ会、毎回逆ナンの嵐って知ってるか?
今回あいつが来ることで、更に…」
『それから、チケットはプラスで8枚用意するから』
「………!」
『次回の晩餐会、私が幹事だから丁度良かった』
電話を切ろうとした姫宮さんに向けて、今度は彼女が溜息を漏らした。
『相変わらず
女心を分かっているようで、全然分かっていないわね』

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