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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
……え? 仲間?
「……ヒ、メ?」
笑みを浮かべたまま、ヒメはくるりと体の向きを返ると
バーカウンターとは反対側にある、ステージに向かって歩いていく。
……突然話が切り替わったから、ちょっと呆気にとられちゃったけど
慌ててヒメの後に続いて小階段を上った。
「……アンナとヒカルちゃんのことは分かったけど……
もう1人の参加者って、誰?」
「………」
「……? ねぇ、ヒメってば……」
マイクスタンドと後方のドラムの真ん中にある、ボーカル用のスツールにヒメが座って
その横に置いてあるピアノの椅子に、私もおずおずと腰掛けた。
……やっぱり、ヒメがいつもと違う気がする。
こんなに柔らかく笑うヒメは、滅多に見れない。
……本当は酔ってるのかな?
「高校の奴らも、すげー沢山来てたけど
全員俺に言う事が同じ」
「………!」
「高校の時の、俺の印象。
なんだと思う?」
また話が変わった。
私が聞いてたのに、逆に質問してくるし。
って、1人で思い出し笑いしてるし……
……もう、なんなの?
楽しそうなその表情に、私も自然と頬が緩んじゃうじゃない。

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