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よくある恋愛モノ
第11章 新たな日々へ
「……別に」
美和はボソッとそう言うと、黙って予習を再開した
実際、怒っているというよりは、ムカついているといったほうが正確な感じだった
結果は出しているのだから、怒る筋合いはない
そもそも授業にあまり出ていないわけで……
“うらやましい”
美和は自分が凪に嫉妬しているのかと思った
私以下の努力で、私以上の結果を出すなんてと
“努力は人と比べるものじゃない”
それが美和の信条だった
“だから……”
「別に怒ったりなんかしてないっ!」
突然そう言ってむくれた彼女に凪は驚く
そして、
“可愛い”
そう思った
本当は美和が傍にいて嬉しかったのだ
気を緩めれば、すぐ顔がにやけてしまうくらいに
それを隠すように凪はわざと仏頂面をして切り出した
「お前、明日も来い」
その言葉に、美和は手を止めた
「……さっきと矛盾してるんだけど」
「いや、考えてみればお前もいろいろ疲れてるだろうし」
もっともらしい理由をつける
「学校休みたくないし、疲れてるっていうならここに来るのも学校に行くのも同じでしょ?」

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