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よくある恋愛モノ
第9章 不安
‘お前を待ってて’
「はぁ……」
美和はベッドに横になったままため息をついた
いつもは欠かさない予習も復習も、今日は全く手につかない
“さすがにあれは……”
冷静になると、自分のしてしまった非情な行動が悔やまれる
“でも…ほんとにいつからなんだろう……”
思い当たるのは、あの浴衣祭りの夜だ
“多分あの時にはもう……”
そこまで考えて美和は首を振る
“好き”なんて言葉は想像もしたくなかった
“私は何が嫌なの”
凪のする行動は気に入らないものばかりだ
授業はサボるわ、ピアスはするわ……
数え上げればキリがない
だが、凪自身に嫌いな部分などなかった
理不尽なことは言わない
(星来の話によれば)身を挺して人を守る
そもそも、不良と言っても自分が困るだけで、相手が迷惑するようなことは何一つしていない
“考えてみれば……結構良い奴……かも?”
「いやいやいや!」
美和は大声を出して跳ね起きる
“恋は錯覚っていうから……暗示にかかってるだけ!”
だいたい私の話を聞かない時点で私に迷惑かけてるし!
……あれ?
でも、先生が凪を怒ってるの……あんまり見たことない

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