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よくある恋愛モノ
第5章 すれ違い
朦朧とした意識の中、体が浮き上がる感覚がした
凪に抱えられたまま、家まで帰りつく
「おい、着いたぞ」
娘のためか、玄関の鍵は空いていた
凪はドアを開けて美和を下ろし、奥にいるであろう母親に声をかけようとした
「どうして……」
美和は倒れないよう精一杯足を踏ん張り、凪を睨み付ける
「どうしてこんなことするわけ!? 誰のせいでこんなことになったと思ってるの!? もう…ほっといてよ……」
「は……?」
凪は突然のことに目を丸くした
そして、自分に投げ掛けられた言葉に対する怒りがふつふつと湧いてくる
「い…意味わかんねー! 自分の不注意だろ! 俺のせいにすんな!」
「え……」
大声に驚いて美和の母親が出てきた
「ほっとけだ? ああ、ほっといてやるよ。その方が俺も清々する。二度と関わんな!」
ドンッ
投げ飛ばされた美和は、訳が分からず凪を見上げる
「……消えろ」
凪は捨て台詞を吐き、ドアを閉めた

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