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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第13章 伝え切れなかった気持ち
 庭にはまだ薄闇が立ちこめている。それもそのはずで、空はまだ夜の名残を残して群青色に染まり、細い月が白っぽく空を飾っていた。弱々しい月の光が沈黙の支配する庭を白々と染めている。
 ソナは一瞬、眼を疑った。次第に小さくなるハンの背が白っぽい月光に透けて消えてしまいそうに見えたのだ。
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