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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第5章 真心の証(あかし)~逢瀬は美しく儚く~
 え、と、ハンを見上げれば、彼の艶麗な美貌がわずかに曇っていた。綺麗な弧を描く眉がかすかにひそめられている。美男というものはどんな表情をしていても見惚れるほど美しいのだと今更ながらに思わずにはいられないソナである。
「えっ、そうなのかしら、私―」
 知らず手のひらを頬に押し当て、初めて自分が泣いていたことを知る。
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