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Love adventure
第79章 新しい息吹
「ほなみはどうですか?」
智也は穏やかな表情で病室のドアを見る。
中からほなみの泣き声が聴こえてきて、瞳を揺らした。
(――泣かすな、と言った側そばから、もう奴に泣かされているじゃないか……)
唇を軽く噛む彼に、浜田は慎重に言葉を選んで言った。
「うん、今目が覚めたみたいだけど……色々と戸惑ってるのかも知れないね……西君がついてるけど……」
智也は無意識に拳を握りしめていた。
(――ほなみ……その子供は……まさか……)
烈しく抱いた、帰国した夜。そして、ホテルで昼夜問わず思いのままに攻めて――
だが、西本祐樹にも同じくらい――いや、多分それ以上に抱かれているのだろう――
だから、どっちの子供だ、と断言など出来ない。少なくとも今の時点では……
西本に渡すと決めた。誰よりも大切な彼女を彼に託すと決めた。そう決めたのは誰でもない自分自身だ。
だが、ほなみの妊娠を知って、智也の心は凪いだ水面に石が投げられ波紋が生まれるように、ざわつき始めた。
智也は穏やかな表情で病室のドアを見る。
中からほなみの泣き声が聴こえてきて、瞳を揺らした。
(――泣かすな、と言った側そばから、もう奴に泣かされているじゃないか……)
唇を軽く噛む彼に、浜田は慎重に言葉を選んで言った。
「うん、今目が覚めたみたいだけど……色々と戸惑ってるのかも知れないね……西君がついてるけど……」
智也は無意識に拳を握りしめていた。
(――ほなみ……その子供は……まさか……)
烈しく抱いた、帰国した夜。そして、ホテルで昼夜問わず思いのままに攻めて――
だが、西本祐樹にも同じくらい――いや、多分それ以上に抱かれているのだろう――
だから、どっちの子供だ、と断言など出来ない。少なくとも今の時点では……
西本に渡すと決めた。誰よりも大切な彼女を彼に託すと決めた。そう決めたのは誰でもない自分自身だ。
だが、ほなみの妊娠を知って、智也の心は凪いだ水面に石が投げられ波紋が生まれるように、ざわつき始めた。

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