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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇
その日は、18時に解散となり現場の違う郷田とは会わなかった。
帰宅して、シャワーを浴びてから楓にメールしてみた。
簡潔に知りたいことだけを。
”郷田を退学にしたって本当?”
楓とは、もう関わるなと約束させてから楓の近くに郷田が居たことはない。
それは俺が近くに居たからよく知っている。
じゃあ、何で楓は郷田を退学に追い込む何かをしたんだろうか。
俺が謹慎中に何かあったとか?
それなら、俺が知らないのも納得がいく。
楓の返事が中々来ない。
今は、家に居ないのか?
友達と遊んでいるのか。
モヤモヤは段々と怒りに変わる。
その時だった。
楓の返事が来た。
”何で?そんなこと聞くの?”
俺が聞いているのに質問で返ってきた。
それに益々イライラして、乱暴にメールを送った。
”職場に郷田が居た。アイツが楓のせいで退学になったとか言ってきたんやけど、説明してや!!”
いっそ、電話の方が早い気がしたが、今はメールの方が良いと判断した。
今電話したら、楓を責めるような言い方しか出来そうにない。
楓に近づいたのは郷田?それとも楓から郷田に近づいた?
後者なら俺は何で?と叫ぶだろう。
だって、楓にとって郷田は最悪な人物でしか無いのだから。

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