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ブラックチョコレート
第4章 旅行に行こう
「紅里・・・?」
「ん?」
小さな声でわたしを呼ぶ。
わたしは視線をステンドグラスに残したまま返事をした。
すると星弥くんがわたしに近付く気配がして
「結婚式は、こういう教会がいいの?」
と耳元で囁いた。
「えぇぇっ!?」
ビックリして星弥くんの方を向くと
「紅里うるさい!静かにして!」
と言って笑う。
星弥くんのせいでしょ!
星弥くんはクスクスと笑うと、また顔を近づけてきて
「まぁ、そん時はうちの店で
ウェディングケーキ作ってやるよ」
と言っておでこに軽いキスをしてきた。
わたしは顔が熱くなるのを感じて、
キスされたおでこを左手で押さえると
右手で星弥くんの手を握った。
「お、お願い・・・します」
と小さな声で答えると、
繋いだ手をぎゅっと握り返されて
「こちらこそ・・・」
と小さな声で星弥くんが言った。

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