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ブラックチョコレート
第3章 バレンタインデー
「紅里、そんなに見たって味は変わらないわよ?」
「だって不安なんだもん」
「でも彼のレシピなんでしょ?」
「うん」
「彼のこと信用してないの?」
「してるもん!」
「じゃあ絶対おいしいわよ」
ママはまだ星弥くんに会ったことなんてないのに
なぜか自信たっぷりというかんじでそう言う。
そのうちにパパが起きてきて、
ママ達は2人で朝ごはんを食べ始めた。
「紅里ー?デザートついでに味見するから、
それ持ってきなさーい」
ついでって何よ。
ガトーショコラを型からはずし、
包丁で切り分けた。
中がまだ少しレアの状態で、
これでいいのか!?と思いながら
ママ達の居るダイニングに持って行く。
「ねぇ、これもうちょっと焼いたほうがいいかな?」
「これがおいしいんじゃないの?
フォンダンショコラみたいなかんじで」
ママはすぐフォークでひとくち分切ると、口に入れた。

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