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ブラックチョコレート
第3章 バレンタインデー
リビングに置いてあるバッグから
家から持ってきた板チョコを取り出し
星弥くんに手渡すと
「そこに座って、おとなしく待っててね」
と言ってキッチンに向かって行ってしまった。
星弥くんに言われた通りに、
ダイニングの椅子で座って待っていると
しばらくして両手にさっきプレゼントした
マグカップを2つ持って
「お待たせー」と言いながら戻ってきて
ピンクのマグカップをわたしに渡してくれた。
マグカップの中には湯気が出ている茶色い液体。
「ココア?」
「まぁ、飲んでみなさい」
「いただきます」
ふーふーしてから、それをひとくち口に含む。
「おいしー!チョコの味する!」
「ホットチョコレートだよ、
俺からのバレンタインプレゼントってことで。
チョコは紅里が持ってきてくれたやつなんだけどさ」
「ありがとう、すっごい嬉しい!
マグカップも使ってくれてありがとう」
「使うに決まってるでしょ!
紅里が来た時は、いつもこれ使おうね」
「うん!」

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