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堕女の鬼
第3章 私の現実
家に着いて
ルームミラーで顔を見る
大丈夫…
いつもの私だ…
髪を整え車から降りて
玄関の扉を開く
何の変わりもない我が家
なのに…
足が重い…
心が重い…
ほんの束の間…
味わってしまった女の感情が
今まで一番心安らげるはずの我が家を…
拒んでいるようだった
遅かったな…
お疲れサン
もう0時をまわっていた
明日仕事があるのに
私の帰りを待っていた夫…
起きてたの…
寝てていいのに!
何も知らない夫の優しい気遣いの言葉に嫌悪感を感じた
私の罪悪感がそうさせたのか…
いや…
現実にひきもどされる事を
本能的に拒んだのだろう

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