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第21章 覚悟

《愛する豊さんへ

この手紙を豊さんが読む頃は……私はこの世にはいないことでしょう。

どんどん弱って行く体。検査、検査の毎日。
残念ながら私……もうながくないみたい。
ついこの間まで二人で笑いあっていたあの日々が遠い昔のようです。


豊に会いたい。
貴方に触れたい。
でも、もう私、貴方が知ってる美しい姿ではないのです。思い出の中の私は綺麗なままでいたい。

優しい貴方のことが心配です。
私の事は早く忘れて新しい女性と幸せになってくださいね。
私は貴方を幸せにしてあげられなかったのが心残りでなりません。

私は一足先に向こうへ行って待ってるからね。




……豊。死ぬのは怖いよ。怖いの。貴方の前から、この世から消えてしまうのは嫌！
お願い、私のこと忘れないでね。

私、すぐに生まれ変わって貴方のもとに飛んでいくから。だから、忘れないで。

ずっと、ずっと愛してる。 亜子より》