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第21章 覚悟

―――俺と里奈ちゃんが付き合ってる？どうやったらそう思うんだ？


里奈ちゃんは一緒にいて楽しい女の子だ。

でも。

だからってそれがすぐ恋愛対象になるわけじゃ無いだろう？

一緒にいて楽しい女の子が恋人になるのは嬉しいことだか、俺にとって里奈ちゃんは彼女にするとかそういう意味ではタイプではなかった。


”ストーカー騒ぎがあり、義妹を守りたい。”
熊さんにそう頼まれから。
もちろん、里奈ちゃんのことは大切に思ってはいるけれど、むしろしっかりものの妹みたいな感じなんだ。

だからボディーガードというか、迎えにいって。一緒に帰っている。それだけで。


……俺はそのつもりでいたんだけれど。


―――俺と里奈ちゃんが付き合ってる。

そう周りに思わせ、既成事実をつくる。それは熊さんの策略だった。

（まったく、熊さん……ろくでもない義兄だよな）


里奈ちゃんを毎日のように迎えに行けば診療所の職員はそう誤解するのは当然だ。

里奈ちゃんも自分の過去を他の職員には知られたく無いが故にそれを説明していない、そう言っていた。