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アンバランスなsweet
第21章 覚悟

それは…封印しきれていない、紫乃に対するこの思いを掻き立てるには充分な言葉だった。
『真さんって、いつも目で紫乃さんを追ってる』
燻る気持ちを抱えたままの俺に、里奈ちゃんからの一言は図星で。
あぁ、そうだよ。
紫乃の都合や立場は関係なく、アイツの事が好きなのは止められないんたがらしょうがないだろ?
里奈ちゃんがそんなこと言うから…、アイツの姿を追ってしまうんじゃないか。
確かに、紫乃は変わったのだ。
片桐さんの好みに合わせよう。そう思ってるのがありありとわかるぐらいに。
俺が知ってる紫乃ではない、アイツの姿。
髪型を変え、ふんわりした雰囲気ではなくて、ハッキリした雰囲気に変わって。
……前の方が可愛いのに。
―――片桐さんがアイツを変えた。
その事実に、凄く腹がたった。紫乃は紫乃なのに…何でだよ。
紫乃はそれで良いのかよ。
簡単に変わってしまった紫乃に腹が立って。
苛ついて仕方なかった俺は、片桐さんに嫉妬していたんだ。

