この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ピンクの扉
第12章 何も知らずに妻は暴走中
桃子はスマホの画面をしばし眺めたあと
電源を落とした。
毎日のように夫とメールのやり取りをしていたが、
夫からの連絡を絶って着信拒否にしてからは
広告メールばかりになってしまったからです。
「ご主人と連絡しなくていいんですか?」
レンタカーのハンドルを握りながら男は、
心配そうにそう尋ねてきました。
昨夜、ベッドのピロートークで
事の成り行きを話したので
彼なりに心配してくれているのでしょう。
「いいんです…私たち、もう終わりですから…
それよりもごめんなさいね。
私が旅行に同行したいとお願いしたばかりに
こうやってレンタカーまで借りる羽目になって」
彼は気ままなひとり旅をするつもりだったようで
バスや電車移動をすると言っていたのに
私が同伴をお願いした事で
急遽レンタカーを借りてくれました。
「いえ、この方が移動が楽ですし、
時間の余裕もできるし…
何よりも旅をしている間は
毎晩あなたと愛し合えると思うと安い出費ですよ」
彼は桃子が離婚するならば
彼女を家庭に招き入れようと考えていた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


