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万華鏡
第2章 視姦
ピクンっ、ピクンっと体がしなる度に、ぶらぶらと存在を主張する。
そのみずいろのパンティ。
普通、パンティが図書室でぶらぶら揺れるなんてありえなくて。
ありえないその存在が‥
目の前で繰り広げられている嘘みたいな光景が、嘘じゃないことだとー‥静かに私に告げていた。
その女の姿は私から見て後ろ向きだから、その顔は見えない。
―――けれど。
脚の間からみえる黒髪。
その男性の正体は私のよく知る人物のもの。
「‥蒼斗先輩」
思わず呟いたその名前。
蒼斗先輩の顔はこちら向きだから、私の側からは見えてその端整なな顔が見えて。
――名前を呼んだの気づかれた?
フッと、蒼斗先輩が顔を上げて。
はしばみ色の瞳の冷たい視線に私は射すくめられる。
思わずしゃがみ込み身を隠して。息を殺して静かに様子を伺って。
「あっ‥あん。ぁぁぁ‥」
本棚の奥ではそのイヤらしい行為がまだ繰り広げられている様子が、奏でられる喘ぎ声から伝わってくる。
――気づかれてないみたい。
だらしなく快感に身を任せて、弛緩している女と、冷めた様子の蒼斗先輩。
頭では、目の前で起きていることは解る
でも。
そのことが信じられなくて。理解出来なくて。
私はその場から静かに逃げ出したいのに
足がすくんで動かなかった。

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