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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
「よし、これで良い」
 トスは簪を挿したキョンシルを満足そうに眺めている。だが、彼の見たかったのは簪を挿したキョンシルではなく、母ミヨンだったに違いない。彼の眼に、キョンシルは母とそっくりに映っているらしいから、今、彼が見ているのはキョンシルではなく、ミヨンなのだろう。
 そう思うと、簪を貰った歓びも俄にしぼんでくる。そして、物事を悪い方にしか考えられない自分がもっと嫌になった。
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