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幼馴染と発情期
第15章 王様と私

メイドの話し合いが終わるとみんなが窓からお庭を見てざわざわとしていた。
「サラ姫様じゃない?」
「あ、本当…アラン王様と二人で話すなんて珍しい。相変わらずサラ姫様は愛らしいわね」
「ねぇ…アラン王様の婚約者って、サラ姫様って噂よね?結婚のお話でもなさってるのよ」
アラン様の婚約者?
あ…そうだ。アラン様もそろそろご結婚を考えなくてはいけない年頃。
いくら私がアラン様の事を想っていても…叶わないし、アラン様にとってただの専属のメイドってだけ…。
いつかこんな日は来るのわかってた…
でも…アラン様がご結婚されたら私…。
「ほら、ラブレター渡してる!これは決まりね」
私はその場にいられなくなって急いでアラン様のお部屋へと戻った。
何かしてないと泣きそうで、掃除を始めた。
アラン様は部屋に戻ってくるといつもと同じ態度だった。
ラブレターと噂の手紙は私に見られないようにしてるのか、すぐに大事にしまっているのが目に入った。
昨年、フィリップ王様のお城へ行ってしまったクロエからの手紙に気を移す。
クロエの手紙を読んでいる時。
お部屋に誰かがやってきた。
「エマ、ご親戚の方がお見えです。急いで来なさい。」
「え?はい…アラン様、すぐに戻ります」
「あぁ。特に大した用はないから、急がなくても大丈夫だ」
なんだろう?
このお城に来てからお給料は必要最低限の私の生活費以外は向うに入るようにしてたけど、今まで…あの雪の日に追い出されてから一度も私を訪ねて来た事なんて事なかったのにな…

