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唇に媚薬
第4章 添い寝と腕枕

「………っ」
……20年以上、変わらなかった関係性。
つい1週間前、恋愛対象外だって突き放されたっつーのに
何がどうして、こんなことになったんだ?
蘭が泣くなんて、ありえねぇし
ましてやこんな風に柔らかく笑うなんて……
理解不能な状況に、変わりはない。
だけど……
「……って、ごめん。ダメだよね」
左手を背中に回そうとすると、蘭はパッと俺から離れた。
真っ赤に染まった頬を、両手で包んで俯く。
「彼女……いるじゃんね」
「………!」
「ご、ごめん。
私さっきから勝手に暴走を……」
「………」
「こんなとこ見られたら、た、大変……
……っ」
再び涙が滲んだ瞳。
……あぁ、だめだ。
体が沸騰する。
何も考えられねぇ。
「……! あ、あお…っ」
驚く蘭の手を、引き寄せて
閉じ込めていた想いを放つように
……その華奢な体を、強く抱きしめた。

