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唇に媚薬
第4章 添い寝と腕枕
「………!」
「電話じゃなくて、直接教えてくれるんでしょう?」
責めてるというよりは、純粋に聞こうとしている瞳。
凛とした表情から、今度は目が離せない。
……あぁ、それは覚えてる。
会社の休憩スペースで俺が言ったんだった。
バカみてぇに舞い上がって、引っ張って。
理由を言ったところで何の意味もねぇのに。
……アホらし。
笑えてきた。
「……マジで最近病んでるのかもな」
「………!」
再び元来た方向に足を踏み出す。
「あれは気の迷いで……」
「いい! 言わなくていい!」
……は?
叫ばれると共に、背中からグッと引っ張られて
よろけた体を蘭が正面から抱えた。
「理由は後で聞くから、とにかく一緒に寝て!」
「……な、に言って……」
「葵が添い寝してって言ったんだから!
自分の言動に責任持ちなさいよ!」
「………!」

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