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唇に媚薬
第13章 同じキモチ
「……寝てた…んだよね?」
夢のくだりを聞きたいのに、ドキドキし過ぎてうまく喋れない。
『あぁ、お前のメールで起きたらしい。
途中まで無意識』
「ごめん……起しちゃったね」
『いいよ、気にすんな』
その返事に、ホッと胸をなで下ろす。
それに……良かった。
向こうでもちゃんと眠れてるんだ。
『夢の続きだと思ったから、半信半疑だったけど』
「………!」
『……夢じゃなかったな』
「………っ」
夢じゃなかったって言った、葵の笑い声。
……自惚れてるのかもしれないけど
なんだかちょっと嬉しそうで、優しい響きに感じから
ねぇ、困るよ。
ほんと困る。
どんな顔してるのか、勝手に想像しちゃって
胸がキュンキュンしちゃってどうしようもない。
『で、どうした?』
「………」
『なんかあった?』

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