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HOTEL・LOVE
第11章 求める理由
「じゃあちょっと・・
付き合ってくれる?」
うん、と返事をしてから
旦那にメールしておく、とスマホを取り出し
短い言い訳を送信した。
「大丈夫なの?旦那さん・・あの・・」
「今日はちょっと遅くなるって言ってたし、
もちろん、相手は女子ってことにしてるし」
そりゃそうだよな・・
男と飲んで帰る、なんて
旦那にメールする主婦がどこにいるよ・・
「ありがと・・じゃあここにしよう」
縄のれんを手で払い、引き戸を開ける。
威勢のいい声で迎えられると
店の一番隅っこを指差して陣取った。
ビールでいい?と一応
香澄に確認してから
生2つと焼き鳥の盛り合わせ、とりあえず、と
元気なにいちゃんに晴樹が注文した。
隅っこの角、身を寄せるようにして話せば
周りに聞こえることはない。
ビールが運ばれてきてから晴樹は
体を大きく揺らしながら
宙を仰ぎ見た。

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