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HOTEL・LOVE
第8章 香澄の夜、晴樹の夜
亮太の寝顔を眺めながら
自分の心の中を探ってみる。
・・杉山さんの事考えただけで
あんなにも濡れちゃうなんて・・
ギュッと目をつむると
煮えたぎる泉に
亮太がめり込んできた瞬間がよみがえる。
そう、亮太を嫌いになったわけでもないし
飽きてしまったわけでもない。
この体はちゃんと
彼を受け入れている。でも・・
でも・・・
私・・杉山さんを好きになったの?
ううん、そんな大げさなんじゃない。ただ・・
新鮮なものに目が、気が、
奪われているだけ。
夫以外の男とあんなに近づくなんて
もう何年もないから。
それだけ?・・・
たぶん・・
小さな不満のせいだと思う。
放っておいてもどうってことない程度の穴だけど
埋められるんなら埋めちゃおうか。
そのパテにしようとしているのが
晴樹の存在なんじゃないかと、
ぼんやりだがそう思う。

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