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HOTEL・LOVE
第7章 縮まる距離
香澄が立ち止ったから自分も立ち止る。
香澄の体がすぐ脇のドアの方に
斜めに傾いているのを見て、自分も真似てみる。
すると・・
あっと晴樹が声を詰まらせた。
「そ、お楽しみの声・・」
中から聞こえてくる乱れた息づかいは次第に声となり、
そのボリュームも大きくなってきた。
そして・・
叫びにも似た裏返った大声が、
フロア全体に響き渡る。
たぶん下の階にも聞こえているだろう。
いやぁ・・・!い・・たいぃ・・!ん・・・あぁっ!
はっきりと聞き取れた。
いや、痛い、だって。
香澄は意地悪く口元をゆがめる。
楽しそうねぇ、と鼻を鳴らす。
でも決してバカにしてるわけではない。
うらやましいというわけでもない。
他人のセックスっていろいろなんだな、そう思うだけ。
自分自身の耳に聞こえているその声は、
第三者からすればどんなふうに聞こえるんだろう。
私のあげる声は、
他人が聞いたら
どんなふうに聞こえるのだろう・・・

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