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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第9章 契り

淑妍は、香草茶をひと口飲み、また満足げに微笑んだ。
「お茶の淹れ方も上達しました。私がそなたに教えることは、もう何もないようです」
「そんな―。私など、本当にまだまだ宮殿のしきたりもろくに知らない未熟者です」
謙遜などではない。元々、この時代の人間ではなく、ましてやこの国の民でもない莉彩には、まだまだ未知のことが多すぎた。見かけだけは一応、後宮女官だが、内実は、ついひと月前まで二十一世紀に生きていた現代女性なのだから。
「お茶の淹れ方も上達しました。私がそなたに教えることは、もう何もないようです」
「そんな―。私など、本当にまだまだ宮殿のしきたりもろくに知らない未熟者です」
謙遜などではない。元々、この時代の人間ではなく、ましてやこの国の民でもない莉彩には、まだまだ未知のことが多すぎた。見かけだけは一応、後宮女官だが、内実は、ついひと月前まで二十一世紀に生きていた現代女性なのだから。

