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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第16章 ♦Half MooN♦

「莉彩、そのようなことを申すものではない。あの子が生まれてくることがなかったらなどとは、口が裂けても申すでない。あの子は短い一生ではあったが、精一杯生命の限り生きたのだ。利発な良い子であった。無事に生い立っておれば、必ずや賢君となっただろう。生まれてから五年もの間、あの子は両親である私たちに様々な歓びを与えてくれた。私たちはあの子が与え、残してくれた想い出を支えとして、これからも生きてゆこう」
莉彩がしゃくり上げた。
莉彩がしゃくり上げた。

