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Blindfold
第17章 目隠しはいらない
「安心しろって言いたいところだけど」
「…………」
「確実にお前のこと襲うから、そうは言えねぇし、入るか入んねぇかは自分で決めろ」
「っ……襲うって…っ」
「カウンターは回避してやっただろ」
「っ……最低」
どうにもこうにも、行動しにくくなって、玄関に立ち尽す。
「何してんだよ」
「だって、店長が変なこと言うからっ…」
お前なぁ……とため息交じりに店長が答える。
「ガキじゃねぇんだからすぐに覆い被さったりしねぇよ。」
「わっ、分かってますよっ…」
「意地張ってないで入れ」
やっぱり、店長の方が何枚も上手だ。
私は仕方なく、靴を脱いで、小さな声でお邪魔します、といって中に入った。
入ってすぐ右に意外としっかりしたキッチンがあった。
そこで、店長はカチャカチャと何やら作業している。
店長が作業している後ろ姿なんて、もう何度も見ている。
でも違って見えるのは、店長ではなくて、私の心境が変化したからなんだろう…
「あの……」
「ん?」
なんとなく、彼の背中に手を当てる。
広い背中。自分の手がとても小さく見える。
「どうした」
「………幸さんと店長って…どういう関係なんですか?」

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