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銀剣士の憂鬱
第4章 青白い満月の輝く夜
(人気のない森に女とおやじぐらいだ。まぁ兜はいいだろう。)
ちなみにサラもやはり女なので、ここに若い男がいようものなら間違いなく兜をかぶっていった。
ヒュッ
荷物をその場に残し、木の枝から枝を伝い素早く現場に降り立った。
ザンッ!
「なんだっ!?」
突然の物音と降り立った影に男達は動揺する。
ガチャ...
「おいっ、お前ら一体何をしている?」
立ち上がり、自慢の長身で脅し、鋭い眼孔で睨み付ける。
「...あっ、あぁ」
「やばいっ、逃げた方がいいっ!!」
男達は月に照らされるサラの迫力に押され、それだけで危険を察知すると一目散に逃げていった。
「うわぁーっっ!!魔物だぁぁ!!」
月の光も相まってか男達にはサラの鋭い目がよりギラリと光って見えたらしかった。
「ちっ...」
(魔物だとっ!?失礼なっ!!)
重い腰を上げてやってきたサラはより不機嫌になった。
女はまだ動けずにいるのかこちらをぼんやりと眺めていた。
「夜が明けるまではどっかに身を潜めてな。」
サラはそれだけ言い残すとまたサッと木の枝を伝い、今日の寝床へと戻っていった。
「え...待って!!」
後には女の声が響き、また夜は静けさを戻していった。

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