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知らなくってもいい性
第16章 逃げられない
「ハァ...」
良かった。
少しは気持ちいいと思ってしまったけど、昨日みたいに排泄でイクことはなかった。
用が足し終わっても便座から立ち上がれない。ここから出たくない...
ここが一番落ち着く場所だった。
もう何日経ったっけ?
今日は何されるんだろ。やだな。
昨日の私は異常だった。
変態だ...
もう人として終わってる...
何よりめちゃくちゃにされている現状にさえ酔っていた。
変だ。あんなの私じゃない。
恐い...
でも...座ってても何も変わらない。
のそのそと個室から出て、手と顔を洗って歯みがきをする。
実験体にされるのなんかもううんざりだ。このままだと心も身体も壊れてしまう。
...
やっぱり逃げよう!
今ならカズキ一人しかいないし、そういえば昨日、ボスがナイフ使ってたな。
隙をみてナイフを取って、カズキを脅せばなんとか行けるかもしれない!!
やっぱり昨日はゆっくり眠れていたのか、なんか頭が冴えている!
でも、試しに能力を使おうとしたけど、こちらはやっぱり駄目だった。
とにかく、それでいこう!
これ以上おかしくなる前に逃げないとっ!

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