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知らなくってもいい性
第21章 ケジメ

「あ~、切ないよなぁ。」

コンビニで買ってきた缶ビールとツマミをテーブルに広げて、とりあえずそのまま突っ伏してしまった。

俺は覚悟を決めてユイちゃんに別れ話をした。

叩かれた左頬が痛い。


二人でよく行った喫茶店。

頼んだコーヒーもほとんど口に入れず、ただ、申し訳ないと謝った。

ユイちゃんは黙って話を聞き。
最後にぽつりと

「いつかこうなるとは思ってましたから。」

そう言って、去ろうとした。

そんなユイちゃんを呼び止めて、どうしても伝えたかったことが口から出てきた。

「ユイちゃんっ!最後に一つだけ!

...料理は絶対できた方がいいと思う!
俺、本当にユイちゃんには幸せになって欲しいから。
うまい料理っていうのは絶対できた方がいい..」

バシーン!!


...当然だ。

こんな男にそんなこと言われる筋合いなんかない。
ただ、それでも...やっぱり、今猛烈に大事だと思えるのがそれで。
思わず伝えてしまった。

ユイちゃんが去った後、気まず過ぎてその場に留まることはできず、すぐに店を出た。

ただ、このどうしようもない気持ちをなんとかしたくて、5、6人の友人を飲みに誘ったけれど、こんな時に限って全員駄目だった。

独身の時はしょっちゅう飲んでたのに...
家族ができたとたんに付き合いが悪くなる。

しょうがないので、近くの店で一人で飲んで、ユイちゃんとの思い出にふけっていたけれど、なんだかふいに家に帰りたくなり、現在に至る。
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