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暁闇
第17章 交わすたび、深まって
「……私で本当にいいの?」
そう口にすると。
「あおいさんじゃなきゃ、俺、もう――――」
その言葉と、彼が深く息を吐く気配。
「……翔悟くんと付き合ったら、私……間違いなく幸せになっちゃうね」
肩に彼の手が置かれ、そのまま正面を向かされた。
顔を上げると、目が合って。
そのまま見つめられて……たまらなくなって。
「……っ……いい、かな……」
私の頬に触れる彼の手。
やっぱり、ひんやりと冷たい。
その手に、自分の手を重ねる。
「……私……幸せになっても――――……」
とうとう口にしたその言葉に、翔悟くんは、こつん……と。
私の額に、自分の額をくっつけた。
「勿論です」
即答されて。
「……翔悟くん……好き」
「俺も」
「好き……」
「好きです」
それはまるで、凝り固まった私の心を癒してくれるような、そんな魔法のような言葉だと思った。
その、静かに溶けていく感覚――――。

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