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暁闇
第12章 告白
下を向いて、小さくそっと息を吐く。
「……どうかした?」
「え?」
掛けられた声に顔を上げると、彼女と目が合う。
「大丈夫?」
……綺麗な色をした唇が、動く。
その、艶めかしさ。
「……似合いますね、その色」
思わず口にした俺に、ん? と首を傾げて。
「口紅。いつもと違うな、って」
「あ……」
少し照れくさそうに。
「……気づいてたの?」
視線を逸らして、そんなふうに言って。
アイスクリームをすくったスプーンを口元に運んだ。
「勿論」
「……そう、なんだ」
ふふ、と。
その笑顔が、可愛らしくて。
あおいさんは大人っぽく落ち着いて見られがちだけど、俺の前では時々こういう可愛い姿を見せてくれて。
それがすごく、嬉しいと素直に思う。
……もっと、いろんな彼女を知りたくなる――――。

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