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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 さつきは決然として言い切った。
「構いませぬ。姫さま、口はばったい言い様ですが、私は姫さまを我が子と思うてお育てして参りしました。良人は既になく、三人の我が子らもそれぞれ片付き、嫡男はこちらの殿から可愛がって頂いております。私がこの世に思い残すこと、やり遂げねばならぬことはもう何もございません。
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