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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)

―何を言はわりますのやろ、十六と三十では、桐壺帝と更衣ではなく、光源氏と藤壺女御ではあらしゃりませんか? 将軍さんといえは、摂関家の九条さまのお血筋であるのに、そのような大年増の色香に血迷うて骨抜きにされるとは、嘆かわしいことでおじゃりますなあ。
―摂関家のご子息とはいえ、襁褓の取れぬ中に東夷(あずまえびす)のむくつけき武士どもばかりの中へお行きにならはったのですから、最早、都人(みやこびと)とは言えませんのや。骨の髄まで東夷や。
―摂関家のご子息とはいえ、襁褓の取れぬ中に東夷(あずまえびす)のむくつけき武士どもばかりの中へお行きにならはったのですから、最早、都人(みやこびと)とは言えませんのや。骨の髄まで東夷や。

