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第5章 花梨、彼氏と別れる

底の厚い靴を履いていたから、ちょっと足首をひねったかもしれない。

男が手を差し出した。
あたしは顔をしかめながらその手を取って立ち上がる。

あれ、意外と力強いな、この男。

その間に彼氏が追い付いた。
いや、もはや元彼氏だ。

「花梨、話聞けって！」

「うっさい！　あんたなんかもう彼氏じゃない！　別れる！」

ぎゃんぎゃん吠える女だって、子供の頃から言われてきた。
歴代彼氏にもすぐこれをやってウンザリされる。

でも、今悪いのは、この馬鹿な元カレの方だ。