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やさしいキスをして?
第10章 番外編

『…ふーん、試合の帰り、そんなことがあったんだ。』
お昼を済ませた私達は、ひと気の少ない場所を求め教室を出た。使用頻度の少ない階段に腰掛けて、踊り場を眺めながら話を始める。
『中学の同級生にバッタリ会って、カップルと間違われて…それを否定した三島くんに、マドカが大っ嫌い発言をしたと……こんな感じ?』
『う、うん…』
当然だけどあさひには、ゆうひくんのことは話していない。
『付き合ってないのは本当だけど、「あり得ない」って…』
『そう言われたのが、辛かったの?』
『……うん』
今思い出しても胸が痛い。三島くんは私のこと、全然そんな対象じゃなかったんだって…
『でもさマドカ…それは本音かどうか、分からないよ?ただの、照れ隠しだったのかも知れないじゃない。』
あさひは優しく笑って、背中をさすってくれた。

