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やさしいキスをして?
第10章 番外編

『…自分がどれだけ恵まれてるか、自覚できた?』
『え?』
『ゆうひくんのこと。イマドキあんな、特定の女の子一筋に人生燃やしてるような男の子、そうそういないでしょ?』
一番うらやましいのは、あの一途さ。ゆうひくんにとっての あさひみたいに、誰か一人の大切な人になれるなら…それはきっと、すごく幸せだろうなって…
『でもあいつ、超キス魔だよ?』
『ふふ…そこは困りものよね。』
愛情表現は人それぞれかも知れないけど。ゆうひくんのそれは、とても誠実に私には映る。
『あさひに一つ、いいこと教えてあげよっか。』
テラスの手すりに掴まって、ぐーっと伸びをしてるあさひを真似て、私も伸びてみる。同じ格好してみても、あさひはあさひ、私は私なんだ。

