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やさしいキスをして?
第10章 番外編

お父さんは、転勤族。仕事の都合で、いつも同じ場所には2〜3年くらいしか居られない。その度に友達を作ったって…
『お返事書いたら?またいつか、会えるといいね。』
『やめてよ、そんな気休め。もう会うなんて一生無理でしょ。手紙だって、すぐに返事がこなくなるんだから。住所もすぐ変わるし、みんな、すぐに転校した私の事なんて覚えてないわよ。』
…別に、慣れた。せっかくできた友達と、いつしか友達じゃなくなることも。
『まどか…』
『今回は特に。1年しか居ないんでしょ?新しい友達も要らないし、お母さんは気にしなくていいから。』
この土地は、お父さんの生まれ故郷。ここへ来たのは一時的な仕事の都合らしく、約1年しか滞在しないらしい。あまりに短期なので、お父さんの実家に住まわせてもらってる。
別に、全然寂しくない。仲良くなった友達と後でお別れする方が、ずっと辛い。だから私は決めていた。新しい学校では、友達は作らないって…そう決めていた。

